オーツミルクの名前は最近ようやく耳にするようになってきたかなと思いますが、日本はまだまだこれから流行ると思います。去年アメリカでは爆発的な人気で牛乳の変わりにオーツミルクに変えた人が多いオーツミルク。何故そんなにも今オーツミルクが注目を集めているのでしょうか?またオーツミルクは子供でも飲めるのか?
オーツミルクとは
オーツミルクは「オーツ麦」という麦からつくられる植物性ミルクのことです。
水に浸したオーツ麦を粉砕し、水で濾して液体を抽出しています。
オーツ麦は、燕麦(えんばく)やオート麦とも言い(日本語名:えん麦)オートミールやグラノーラの材料にもなっている穀物です。
オーツミルクは他のミルクと同じように、そのまま飲むことはもちろん、コーヒー・紅茶と合わせたり料理の材料にしたりすることもできます。
オーツミルクは植物性ミルクの中で牛乳の味に一番近いとされていて、牛乳の代わりに飲む人が増えています。
オーツミルクの原料オーツ麦とは?麦の種類
オーツ麦は、ロシアやアメリカ、カナダ、ヨーロッパ諸国などで栽培されている穀物です。
日本では北海道で明治時代に初めて栽培したと言われていますが、もともと家畜の飲料として栽培されていた為、家畜の飲料が輸入に切り替わり生産は減ってしまいました。今も、オーツ麦を輸入して日本で加工しているところは沢山あります。
オーツ麦の麦は小麦とかの麦でイネ科の植物になります。
麦にはいろんな種類があり、私達が普段口にする白ご飯もイネ科です。
普段一番馴染みがあるのではないでしょうか?小麦の種子から外皮、胚芽の部分を取り除き、粉にしたものが小麦粉です。パンや麺類、お菓子等の材料として幅広く使われています。
小麦がオーツ麦と違うところはグルテンというたんぱく質を多く含んでいる事。
グルテンとは、小麦粉に水を加えてこねることでできる成分のことです。グルテンには食品に粘り気と弾力を与える効果があり、パスタやうどんのもちっとした食感や、パンのふわふわとした食感は、すべてグルテンがあるおかげなんです。いわば、グルテンはおいしさの素になる成分。
小麦は、粒の硬さによって「硬質小麦」 「中質小麦」 「軟質小麦」の3種類に分けられ。それぞれ、強力粉、中力粉、薄力粉になります。
世界の小麦の生産量は穀物の中ではトウモロコシの次に多く、消費量はお米とほぼ同量ですが、ほとんどが輸入物。国産小麦は貴重なんです。
大麦は小麦に比べて葉が短く幅広で、幼植物の頃は小麦よりも大柄に見えることから「大麦」の名がついたといわれています。実の大きさはほとんど変わりません。小麦と同じく世界最古の作物で、およそ1万年ほど前にアジア(現在のイラク付近)で栽培されていたといわれています。また、古代エジプトのツタンカーメン王の墓(約三千年前)から、副葬品として納められた大麦が発見されています。
日本へは、小麦よりも早く、1,800年ほど前に中国から朝鮮半島を経て伝わったと考えられ、奈良時代には広く栽培されていたそうです。
大麦にはグルテンが少量しか含まれていないけれど、大麦は豊富なでんぷんがあるためごはんに適しています。そして、ビール、焼酎、ウイスキーなどのお酒や麦茶、味噌、醤油などの発酵食品の原料になっています。
世界の大麦の生産量は小麦の1/5程度です。一方日本での生産量は小麦より多くなっています。
大麦は、食物繊維を多く含み、その含有量は白米の約10倍にもなります。
一般 には穀物が含む食物繊維は、不溶性(便通を良くするなど)の割合が高く、水溶性(血糖コレステロールの低下、血糖値の改善など)が低いのですが、大麦の場合、両方をバランス良く含んでいます。
ライ麦はもともと小麦畑に雑草として生えていたものが、栽培品種となったものです。寒冷な気候や、栄養分の少ない土壌でも生育することができるため、小麦の栽培に適さない地域、すなわち小麦が栽培されている地域よりも緯度が高い場所で栽培されてきました。ライ麦は小麦粉よりも栄養面で、食物繊維やビタミンB群が豊富に含まれていることから、現在は健康志向の人を中心に再び注目されています。
ライ麦粉にしてパンに加工するか、ウイスキー、ウォッカなどの原料として使われます。ドイツの代表的なパンは、少し黒い色をしていますが、これはライ麦が入っているためです。ライ麦粉と小麦粉をいろいろな比率で混ぜ合わせたパンがあり、ライ麦の比率が高いほど、色が黒っぽく、酸味が強いといわれています。この酸味は、「サワー種」と呼ばれる酵母菌によって生まれるもの。サワー種の酵母菌は乳酸菌が主体となっているため、独特の酸味を持っています。
ライ麦粉を使用したパンは小麦粉のパンよりも密度が高く焼きあがるため、目が詰まっていて水分の抜けも少なく日持ちするパンに仕上がります。ライ麦は小麦のパンに比べると、糖質やカロリーが低く、同じ量を食べても小麦よりも太りにくいという特徴もあります。
ライ麦はもともと、小麦よりも安い穀物でしたが、いまは生産量が少ないため、ライ麦粉は小麦粉より高い値段で取引されています。国内ではほとんど栽培されておらず、ほとんどがカナダなとどからの輸入となっています。グルテンは小麦に比べて少量です。
グルテンは危険
麦の種類により、それぞれの効能や特徴がある事がわかりましたが、何故麦の中でもオーツ麦が今人気なのでしょうか?
それは、オーツ麦がグルテンフリーだと言う事が第一にあげられます。
グルテンは小麦に一番多く含まれており、パンを作る時にはグルテンのおかげでもちもちのパンが食べられるわけですが、何故今グルテンフリーが注目を集めているか。それは
小麦等に含まれているグルテンを摂取する事により腸に穴があくという障害が起こることがわかってきたからなんです。
その名も「リーキーガット」
リーキーガットとは、腸に穴が空き、異物(菌・ウイルス・たんぱく質)が血中に漏れだす状態にある腸”のことを指します。アレルギーの原因となったり、肥満や糖尿病、肝臓病やうつ病などを発症してしまう危険性があるんです。
最も知られている食物アレルギーは?
- 小麦アレルギー
小麦は、卵、牛乳と共に三大アレルゲンです。蕁麻疹、かゆみなどの皮膚症状や下痢、腹痛などの胃腸症状。また、くしゃみ、鼻水といった耳鼻科的症状、喘息や呼吸困難などの呼吸器症状などをはじめ、いきなり呼吸ができなくなったり血圧が下がったりする「アナフィラキシーショック」を起こす場合もあります。
子どもの場合、胃腸の消化吸収機能がまだ十分に備わっておらず、小麦に含まれるグルテンをきちんと分解できないため、小麦アレルギーなどの食物アレルギーを引き起こしやすいです。 - セリアック病
小麦や大麦、ライ麦に含まれるタンパク質のグルテンに対する遺伝性の不耐症であり、免疫を担う細胞が小腸の粘膜を攻撃して炎症が起き、さまざまな栄養の吸収が阻害され、下痢、おなかの張り、全身の倦怠感、体重減少、貧血などの症状が表れる。炎症が数十年にわたって続くと、がんが発生する恐れも指摘されている。 - グルテン不耐性
グルテンの中に含まれるグリアジンという主要成分に過敏に反応して身体に症状が現れる。下痢や全身の倦怠(けんたい)感、お腹ゴロゴロ、手足のしびれや痛み等。腸内で異常発酵したガスが原因で炎症が起こるといわれます。グルテン不耐症の多くのヒトが逆流性食道炎を合併するとも言われています。
グルテンによるアレルギー症状は、アトピーや喘息など目に見えてわかるアレルギー反応もあれば、原因不明の頭痛や腹痛、倦怠感、肌荒れなどのアレルギーと自覚しにくい症状もあり、人口の数%が罹患していると言われています。
グルテンフリーを実践することで肌が綺麗になったり、花粉症が改善したりするような人は、実はグルテン不耐性だった、というケースも少なくありません。
何故小麦アレルギーの人が多いの?
小麦は世界最古の穀物と呼ばれているくらい昔からある食べ物なのに、何故現代でそこまでアレルギー体質の人が増えてしまったのか?
それは、風雨や病気に強い品種改良によってグルテンの量も何倍にもなったことにあげられます。
小麦自体のグルテンの含有量もそうですが、現代では、パンにパスタにうどんにお菓子等、ありとあらゆる所に小麦は使われています。グルテンは消化に時間がかかり、腸内の悪玉菌を増やす作用がある為、これによりアレルギーの症状ばかりでなく、アトピーやリウマチ、自律神経失調症、発達障害などの一因になっているという説もあるのです。
子供の小麦アレルギー
乳幼児の即時型食物アレルギーの3大原因食物は鶏卵、牛乳、小麦食物アレルギーと、小麦は第3位に位置する重要なアレルゲンです。厚労省の研究班のデータでは約12%を占めています。乳児期に発症した小麦アレルギーの3歳時点の耐性獲得率は63%です。
学童期になると3大原因食物は鶏卵、果物類、甲殻類となり、鶏卵、牛乳、小麦は6割ほどに減ってきます。学童期に入る前に耐性を獲得できる子が多くなります。
小麦は学童期以降(7~19歳)では8番目に位置し、5%程度となります。
普段当たり前に摂取していた小麦が、実は赤ちゃんから、大人まで多くの人がアレルギー持ちだったという事実。
そこで、今は小麦の変わりの物が人気になっていると言う事なんですね。
その小麦の変わりに人気なのがオーツ麦。
オーツ麦の成分
麦は麦でもオーツ麦はグルテンフリー。そしてそれ以外にも沢山の栄養も含まれているのです。
不溶性食物繊維…体内で消化した食物をスムーズに移動させることで便通をよくし、老廃物を体内に留めず定期的に排出するお手伝いをしてくれます。
水溶性食物繊維…体の中で水分を吸って膨らみゲル状になり、胃腸の中をゆっくり移動していきながら消化され吸収されていくので腹持ちがよく、満足感が持続するほか、栄養素の吸収が緩やかになり血糖値の上昇を抑える効果も。さらに、水溶性食物繊維は血中のコレステロール値を下げる効果も
さらに、ビタミンB1B2のビタミンB群やヨウ素も含まれており、ミネラルも豊富!
オーツ麦の効能
悪玉コレステロールの低下
オーツ麦は健康にいいことが知られている穀物ですが、特に血液中のLDL(悪玉)コレステロールを低下させる作用について多くの研究報告があります。それは、オーツ麦に含まれるβグルカンという成分です。βグルカンは水溶性食物繊維の一種で、腸内の消化物の粘度を高める性質があり、それによって糖質や脂質の吸収が遅くなることで、血液中のLDL(悪玉)コレステロールと中性脂肪の値を下げる作用があると言われています。血中LDLコレステロール値と血中中性脂肪値が下がると、心筋梗塞や動脈硬化症などの心疾患の予防につながります。
ダイエット効果
オーツ麦はカロリーはお米とほとんど差がないものの、食物繊維が豊富なことから食後の血糖値の上昇度合いを示すGI値が低いのも特徴。低GI値の基準値は55以下とされていますが、オーツ麦のGI値は55で低GI食品として知られています。
GI値の低い食品は、糖質の消化や分解に時間がかかり、満腹感が持続しやすいので食べ過ぎ予防に繋がったり、血糖値が急激に上がりにくいことから体に脂肪が溜まりにくく、その後空腹感も感じにくいため、太りにくいとされています。
美容効果
オーツ麦には美肌を作るのに必要不可欠なビタミンB群やタンパク質、亜鉛、ビオチン、抗酸化作用のあるビタミンEやセレン、そして肌を乾燥から守る良質な脂質が含まれています。
また、オーツ麦特有のポリフェノールである「アベナンスラミド」という成分も含まれ、肌の炎症やかゆみを和らげる作用があるとされています。
実際に、オートミールは皮膚のかゆみを軽減するための局所療法として何世紀にもわたって使われてきました。現在では、シャンプーやシェービングジェル、保湿クリームなどオーツ麦成分を使用した製品は数多く市販されており、日本でも入手することができます。
抗酸化作用や抗炎症作用を持つアベナンスラミドは、動脈硬化の予防にも役立つ可能性が示されています。アベナンスラミドの大部分はオーツ麦の外皮(オートブラン)に存在しており、外皮にはβ-グルカンも豊富に含まれているので、オーツ麦の健康効果を最大限に取り入れるには外皮までまるごと食べられるオートミールもおすすめです。
オートミールとは
オーツ麦を食用に加工したものをオートミールと言います。オーツ麦の加工食品は大きく3種類です。「ロールドオーツ」、「スチールカットオーツ」、「グラノーラ」です。
ロールドオーツ
ロールドオーツはインスタントオーツとも呼ばれ、オーツ麦を脱穀して加熱し、押しつぶしているので麦の粒が丸ごと残っています。調理しやすいことからも日本でも広く普及しているタイプです。
スチールカットオーツ
スチールカットオーツは、麦の胚芽や外皮を除去せずに、そのままスチール(鉄)の刀でカットしたもので、プチプチと噛み応えと香ばしさがあります。じっくり煮こんで、お粥状にするのが、代表的な食べ方です。
グラノーラ
グラノーラは1800年代に米国で健康食品として開発され、その後あまり普及しませんでしたが、1900年代の中盤にオーガニックフードのブームが到来して以来、カフェや食料品店でもグラノーラが売られるようになりました。グラノーラの優れている点は、栄養のバランスが取れている点、作り置きができる手軽さがあげられます。グラノーラはオーツ麦を基本として、他の穀物やナッツ類を組合せて簡単にアレンジできます。
オートミールは、ご飯の代わりや、ご飯と混ぜて炊いてみたり、パンの変わりに食べる人が増えてきました。
オートミールは離乳食から使える?
オーツ麦は、赤ちゃんの発育に適した栄養がバランス良く含まれているため、離乳食でも問題ないです。ただ、水分を含まないオーツ麦(オートミール)は硬く乾いているため、そのまま食べると誤嚥(ごえん)を起こしてしまう危険性があります。必ず水分を含ませやわらかくしてから赤ちゃんに食べさせてあげてください。
無添加・無農薬のオートミール
せっかく、健康の事を考えて身体にいい物を取り入れようとしているのに、添加物が入っているってイヤですよね?こだわるならとことんこだわって選びぬきましょう♪
オーツ麦は海外の方が主流です。オーツ麦を輸入して日本で加工している所が多いです。
今は国産だから安心な時代ではないです。日本の食品添加物基準は海外よりも低いので、それぞれの飲食一つ一つをどこで買うかを選んでいく力が問われます。ただ、加工は日本で丁寧にされている所がいいですよね。
オーツミルクは赤ちゃんはいつから飲める?
オートミールが離乳食中期からが目安ですが、オーツミルクは離乳食が始まってから飲めると言われています。
もちろん、ほんの少量から試してみる事が重要ですが、乳糖不耐症や牛乳アレルギーの子でもオーツミルクは飲めるので安心。そして、ホットドリンクに入れても分離しないからうれしい♪
オーツミルクのメリットとして
- グルテンフリー
- 食物繊維が豊富
- 植物性なので、牛乳よりも脂肪が少ない。低カロリー
- カルシウムが牛乳と同等だけれど、カルシウムの吸収に必要なビタミンDがオーツミルクには含まれている
- ヴィ―ガンの人も対応
- 低GI飲料
という嬉しい反面
- タンパク質が牛乳に比べて少ないので、別の食品(大豆、肉、魚等)から取る必要がある。
- 牛乳より高く売られている
- 種類によって糖が入ってるのもあるので注意
- 製造過程に小麦が含まれてしまう場合があるので、グルテンフリーの表示を確認する必要がある
というデメリットもあります。
とはいえ、メリットの方が大きいオートミルクもまた、オーガニックの物を選ぶべし。
オーツミルクは環境に優しい?
牛を育てるためには、広大な土地や大量の水、エサとなる穀物が必要です。牛から排出されるメタンガスは地球温暖化の原因のひとつ。
- 飼育するための設備や飼料の生産に多大なエネルギーが必要となり、その過程で温室効果ガスが排出される
- 牛の「げっぷ」には温室効果ガスの一種であるメタンガスが含まれている。(世界全体の温室効果ガスの4%は、牛の“げっぷ”が発生元であるというデータもあります。)
それに比べ、オーツミルクはというと
- 温室効果ガスの排出が少ない
- 生産に必要な土地が少ない
- 生産に必要な水が少ない
- 免疫力を高める効果
- がんを抑制する効果
- 悪玉コレステロールを減少させる効果
と良い事づくめ。
環境問題はとても大きいけれど、一人一人が意識をする事で、大きく変わっていける。自分一人がやっても変わらないではない。まずが自分で小さな一歩を踏み出す事が大事である。
子どもの未来が明るいものとなるように、母としての選択を一つ一つ大切にしていけたらと思います☆彡世界中の子供達がお腹を抱えて笑える毎日に一緒に変えていきましょう♪
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